前回は、なぜ「強力なコンピタンス」は競争優位を生みだすのか?について【戦略の種類と特徴】と【他社に打ち勝つための競争環境分析】を説明しました。
その基本は、あくまで会社の組織がいま持っているコンピタンスからしか生みだされないものでした。
今回は、【強いビジネスモデル】や【強力なコンピタンス】をつくりだす主要分析について
説明します。
■SWOT分析(自社分析とも呼ぶ)の着眼点とは
SWOT分析とは、現時点での会社特性を明らかにし、記録していく手法をいう。
それらは、「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つに区分しそれぞれ分析する。
▼「強み」の分析の着眼点とは
1.どんな「強み」が、自社と競合他社との差別化ポイントであるのか?
2.その「強み」は、なぜ他社はそれを真似できないのか?
▼「弱み」の分析の着眼点とは
1.弱みの兆候として、具体的な現象とは何か? (負債、収益性、株価など)
2.その会社の経営体質の弱さは、具体的に何か?(離職率、在庫管理、社内部門間の連携など)
3.その会社の構造的な弱さは、具体的に何か? (ブランド知名度、市場シェアなど)
▼「機会」の分析の着眼点とは
1.その会社の組織能力が、他の事業へのコンピタンスとして発揮できるか?
2.将来のビジネスモデルにとって、どの分野で開発されるべきか?
▼「脅威」の分析の着眼点とは
1.当該市場の動向が、大きく変わる可能性はあるか?
2.国の法規制は、今後どのように変わるのか?
3.もし競合他社が、「強力なコンピタンス」を真似したら具体的にどんな損失を受けるか?
※「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つについて、
Step1 簡潔に箇条書きでまとめてみる!
Step2 「強み」「弱み」「機会」「脅威」の箇条書きに対して、明確な根拠を書いてみる!
■なぜSWOT分析には威力があるのか?
1.「強み」と「機会」は、現在のコンピタンスが分かり、将来の「強力なコンピタンス」への原動力になること。
2.「弱み」は、『将来のビジネスモデル』の弱みをカバ-できるのかの検証に活用できること。
3.「脅威」は、その会社の経営リスクを正しく認識でき、かつ【リスク・マップ】を作成する
うえで重要な要素になること。
※私もいろんな分析をしましたが、出来るだけ1つの分析から多くの情報が入手できたほうが時間短縮でき、その分を打合せに回せるメリットを優先したいものです!

■BCGのPPM分析とは
『BCGのPPM』とは、
「ボストン・コンサルティング・グル-プのプロダクト・ポ-トフォリオ・マトリックス」の略。
このマトリックスは、【市場での成長】と【市場でのシェア】との関係を「見える化」したもの。
・この分析の目的は、 「会社の限りある経営資源を、どの事業へ投資するか?」である!
例 F社の事業は3つあるとする。【仮説】
事業は、A、B、Cである。
A事業は、半年前に顧客ニ-ズに応えて立ち上げたが、まだ採算が良くない。
B事業は、3年前に立ち上げ今の収益性の柱である。近い将来、収益性が下がる憶測情報も入手。
C事業は、5年前に立ち上げ、【収益性の柱】であったが、顧客ニ-ズと合わなくなった。
C事業は、売上が激減し、大きな赤字をだしている。
この会社を下記のマトリックスへ、当てはめるとしたら?
A事業は、【問題児】
B事業は、【金のなる木】
C事業は、【負け犬】
となるのではないでしょうか??

上図のようにPPM分析から
1.【問題児】を【花形】へと成長させれるかが、大きな経営課題!
2.赤字をだす【負け犬】を放置すると、【花形】と【金のなる木】の収益性を失う結果になる経営リスクがあり、経営者の決断が求められる!
3.【金のなる木】は、いずれは負け犬になる。ただ、C事業の決断なり方針が決まるまでは【金のなる木】を維持したいもの!
次回、7話は「製品戦略における陳腐化の効果とは何か?」を掲載します!
では、次回へ
こんにちは。
返信削除はじめまして。
いつも楯さんブログを読んでいます。とても勉強になります!
SWOT分析の機会の分析の着眼点が良くわかりませんでした(>_<)
またPPM分析の"花形"と"金のなる木"はどのようにちがうのでしょうか?
教えていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。