2010年4月15日木曜日

【経営事例】9話~日本の住宅工法(=家の骨組み)にはいくつも種類がある!

読者のみなさん、こんにちは!楯です。


今回は、1級建築士の河澄さんと今週と来週の2回にわたり共同でブログ発信します!


私が社会人になってから、大きく言えば住宅業界の中で営業活動をしていた。
住宅業界といっても、住宅メ-カ-の営業ではない。
戸建やマンションの内装に使われる製品の営業。
例えば、階段、和室の部材、キッチンカウンタ-などが主力製品であった。
これらの製品には、様々な材料から製品が市場に出回っている。
例えば、キッチンカウンタ-であれば、大理石、人工大理石、メラミン系、集成材など多々ある。


下の写真は、化粧室の洗面台に集成材を使っています!




読者のみなさまの、キッチンカウンタ-はどんな材料から作られた製品でしょうか?

それら製品のうち、木材を横ハギしたり積層した製品の営業を長年経験した。
そうした製品群は、業界の中では【集成材】と呼ばれ、集成材業界という市場を形成していた。

ちなみに
【冬季長野オリンピックのスタジアム】の構造は、実は【集成材】でつくられています。



さて、今回は「日本の住宅工法の種類とその特徴」についても述べます。
私たちの生活に必要なもののなかに、住む家があります。
ただ、自分の家を外から眺めても、住宅の工法は分かりません。
住宅の工法とは、平たく言えば「家の骨組み」みたいなもの。
人間の骨と同じです。

ここ近年、日本各地で地震が起きています。
読者の皆様も、多少関心を持たれているのではないでしょうか??



今回は、ソフトデザイン 1級建築士事務所の河澄さんに専門家としての住宅工法に関して解説して頂くことになりました。
かつ河澄さんは、SE構法の登録建築士として耐震住宅の設計にも活躍されております。



皆さんはじめまして! ソフトデザイン1級建築士事務所の河澄克典です。

当事務所は住宅や店舗のデザインを中心に行なう建築設計事務所です。
名古屋市東山にショップ併設のアトリエを構えています。
当事務所は、耐震性能に優れた長寿命の家化学物質無添加自然材料を使った、本物志向の住宅「無添加住宅」を できるだけ安価に提供することをポリシーとし 住まいの身近な相談所として、地域に密着した活動をしています。

また、新築・リノベーションの設計相談やシックハウス・化学物質過敏症対策の相談を随時行っています。

庭の見える相談コーナーでは、カフェに立ち寄った感じで気軽に相談できますので
お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。



ソフトデザイン 東山アトリエ

名古屋市千種区新池町2-8エスポア東山 1階テナント
TEL:052-734-7415 
http://softdesign-group.com/

河澄克典 1級建築士 登録番号第322748
       SE構法登録建築士 設計士番号SEAS-0772



今回は楯さんのブログにおじゃまして、住宅の構造についてお話させて頂きます。



早速ですが、最近の住宅状況と当事務所の事業展開についてお話します。

最近の住宅市場で見受けられる3つの動きについてご説明します。


1・中古住宅市場の活性化
建てて壊して、また建ててといったスクラップアンドビルドから中古住宅を有効活用していこうという動きに変わってきました。


2・長寿命の住宅づくり
日本の住宅の平均寿命は26年程度と言われています。諸外国に比べてとても短く経済的な負担が大きいため、永く住める住宅をつくろうという動きに変わってきました。


3・環境と健康に配慮した住宅づくり
エコの観点と健康面から自然素材が再注目されています。


こういった状況の中、当事務所では永く住み続けることが出来る住宅の新築中古住宅をリノベーションして有効活用することに力を入れています。
また、生活スタイルの多様化によって、マンションに代表される2LDKとか3LDKといった規格やプレファブ住宅のように規格化された住宅では、希望する生活スタイルに対応できないケースもあります。こういったケースに対応していくことにも力を入れています。




■住宅の工法にはいくつかの種類がある!

①在来軸組工法
高温多湿な日本に合った伝統工法で、「在来工法」ともいう。上にかかる建物の重さに耐えるように、柱と梁が軸組で構成されている。また、地震の横揺れや風のように水平外力には筋交という斜めの軸で構成されているため、広い間取りや大きな開口が取れることや自由設計により増改築も容易な点が特徴である。木が火に弱い、腐食するといった弱点も防火素材や断熱材などの研究で解決され、耐火・耐震性能も一段と向上している。それから、軸組工法の壁は、壁と柱の位置関係により二つの種類に分けられる。一つは柱が壁面より現れている真壁造りで、他の一つは柱が壁の中に隠れて見えない大壁造りである。


②ツ-バイフォ-工法
ツ-バイフォ-工法は、昭和49年夏に構造に関する技術基準が建設省告示として公布されたのを契機として我が国に公式に導入された北米在来の木造工法である。

使用する木材の断面寸法が、厚さ2インチ、幅4インチを基準とした規格の木材からなり、アメリカやカナダの住宅工法でしたが、日本でも一般的になった。

構造は床、壁、天井の「面」で支えられており、がっちり組まれた6面体の箱のイメ-ジである。気密性や断熱性に優れ、耐震性・耐火性・耐風性も高いのが特徴である。また、間取りも柱もない広い部屋や、小屋裏に居室を設けたりとスペ-スの有効利用がはかられる。


③鉄骨系プレハブ工法
軽量鉄骨で柱や梁といった骨組を作り、そこにあらかじめ工場生産された部材(床、壁、天井など)を運んで組み立てる工法である。軸組工法、パネル工法、両方を組み合わせた軸組パネル工法などがある。

 耐震性、耐火性、耐風性に優れ、工場生産される部材も品質が一定していて量産しやすいため、完成度が高いという特徴をもっている。防錆処理については各住宅メ-カ‐ごとに様々で、亜鉛メッキした鋼材に塗装したり、フッ素樹脂加工するところもある。いずれにしても錆は鉄の大敵であるから、見えなくなる鉄骨まで十分な処理が施されている。



④木質系プレハブ工法
断熱性、気密性、防火性などに富んだ木材を主な材料として床・壁・屋根パネルを工場生産し、それを運んでから現場で住宅を一体化させて作りあげる。


⑤コンクリ-ト系工法
工場で生産したPC板(プレキャストコンクリ-ト)と呼ばれるコンクリ-トパネルを組み立てて床・壁・屋根を作る。構造的には6面体になり、PC板の強度と伴に頑丈な建物となる。コンクリ-トに鉄筋が組み込んであるため、耐震性、耐久性に優れている。その他にも断熱性、耐火性も高いといった多くの特徴がある。最近では,パネルの多様化にともない、間取りの自由度がアップしている。しかし、パネル自体の重さから地盤の弱い地域では地盤補強が必要になったりする。





①在来軸組工法


②ツ-バイフォ-住宅


③鉄骨系プレハブ住宅


④木質系プレハブ住宅



⑤コンクリ-ト系工法



河澄です。楯さんのご説明に当事務所の経験からコメントさせて頂きます。


①在来軸組工法は住宅の工法としては最も普及した工法だと思います。
工場で加工された柱や梁を、大工さんが現地で組み上げて行きます。
当事務所でも2階建ての住宅を設計する場合にはこの工法を採用するケースが多いです。
柱と梁で構成されているので、窓開口が取りやすいというメリットがあります。
間取りや外観のデザインも工夫次第で自由度の高い設計が可能です。
広く普及している工法なので、施工者が限られるということはありませんが

反面、現場監理をしっかりと行なわないと施工レベルに差が出てしまう工法とも言えます。



②ツ-バイフォ-住宅はハウスメーカーさんで採用されることが多い工法だと思います。
面で支える構造の為、耐震性に優れた工法ですが、反面、窓開口に制限があり
デザインの自由度が低いと思います。こういった理由から当事務所ではこの工法を採用しておりません。


③鉄骨系プレファブ住宅、④木質系プレファブ住宅⑤コンクリート系工法は ハウスメーカーさんが多く採用している工法です。

プレファブというのは予め工場で製作することを言い、工場で製作されたパーツを現場で組み立てます。
お客さまの希望に合わせて一棟、一棟デザインする当事務所では採用したことはありません。
あっという間に完成してしまう住宅を見たことありませんか?
それはたぶんこの工法の住宅だと思います。

工場で製作される分精度が高いと思いますが、
生活スタイルが変わって改装したい時など壁を取ったり、開口をあけたりといったことが可能か?という疑問があります。

※ 読者のみなさんの住宅は、上記のどの工法に該当するのでしょうか?

 

楯さん、上記以外に私が注目してる工法があります。


河澄さんそれはどういう工法ですか?


SE構法という工法で、最近はこの工法で住宅を設計することが多くなっています。


従来の住宅工法とSE構法の違いは具体的にどのようなことですか?


まずSEとはSafety Engineering (セーフティー・エンジニアリング)の略で 安全という住まいの絶対条件からネーミングされています。


SE構法は、以前からよく聞く工法でした。
たしか、大臣認定された特殊な工法でした。
かつ首都圏や関西圏といった狭い土地に3階建て住宅を建てるため、構造計算されたもの!



来週4/22に「画期的なSE構法」を、具体的に図を使いながら河澄さんとその内部を探検してみます!


では、またのご来訪をお待ちしております。

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